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小早川隆景のおもしろさ
小早川隆景 (学研M文庫 え 5-11)
小早川隆景 (学研M文庫)
江宮 隆之(著)

中国地方の戦国武将・小早川隆景の小説。

<あらすじ>

毛利元就の三男として生まれた小早川隆景は、若いころから兵法書『孫子』を愛読します。

やがて隆景は父から最も信頼される武将に成長。その名は中国地方ばかりでなく九州にまで知れ渡り、「毛利元就の再来」と恐れられるようになります。

厳島合戦の直前、父と組んで一芝居うち、敵のスパイを逆に利用してしまうエピソードなど、智略が豊富に盛り込まれた小説です。

<感想>

個人的に興味があったのは、秀吉が信長の覇業をついだあとの話です。秀吉がライバルを蹴散らして、天下統一の総仕上げをしていく中、隆景はどこでどんな仕事をしていたのか。

たとえば、秀吉が小田原の北条を攻めているとき、隆景は後方にあって尾張の警護を命じられながら、人馬や物資の調達を任されているんですね。細かいところなんですけど、そういうのが分かって面白かったです。

秀吉や家康って、けっこう表舞台で派手にやるじゃないですか。小説とかでもたくさん描かれてて。でも、その同じ瞬間に別の武将はどこにいて何をしていたんだろうって、たまに思うんです。妙に興味がわいて。

小早川隆景の小説を読んでみると、秀吉が小田原を攻めているときに、隆景は尾張にいたことになっています。僕はそれを読んでふむふむ。って。

上空から日本地図を見ているような気分です。小田原に秀吉がいて、尾張に隆景がいる。日本列島の西には、朝鮮半島がある。隆景ものちにこの朝鮮半島へ渡ることになるんですが、このときはまだ知らないんだろうな〜とか。

隆景自身は、自分が一生のあいだに地図の上をどんな風に移動して、どこで死ぬのかを知らないわけですけど、僕たちはそれを知ってるんですよね。隆景が死んだあとの小早川家にどんな悲劇が待ち受けているかも、僕たちは知ってます。

そういうのが全部わかった上で、もう一度小説の内容を振り返ってみると、「隆景よくがんばったなぁ」「激動の時代をよく生きたなぁ」って思うんです。

author:あーりー, category:戦国時代(小早川隆景の歴史小説), 14:46
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