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山本勘助が伝説になったわけ
武田三代 (文春文庫)

新田次郎の短編集『武田三代』に、山本勘助のことを描いた『まぼろしの軍師』という小説が収録されています。

ぜひ読んでほしい作品です!

戦国時代の最終的な勝者となった徳川。その徳川を、かつて三方ヶ原の戦いで徹底的に叩きのめしたのは、武田でした。

徳川の世になると、武田の強さは伝説となりました。

その伝説を支えた男の一人が、軍師・山本勘助です。

<あらすじ>

織田信長が本能寺に散った天正10年。

山城国・妙心寺に鉄以(てつい)という僧がいました。

山本勘助の息子です。むかし、山本勘助が立身を夢見て風雲に身を投じた際、寺にあずけられたのです。

それから30年。鉄以は一度も父の消息を耳にしていませんでした。父が武田に仕えているらしいとは聞いていましたが、その武田も今は滅びています。父もまたどこかの戦場で一兵卒として死んでいったに違いない。鉄以はそう思っていました。

そんな鉄以のもとに、一人の老人が現れます。

三枝(さえぐさ)十兵衛と名乗るその老人は、山本勘助とともに武田に仕えていたといいます。

老人は山本勘助のことを語り始めます。

山本勘助が武田の軍師だったこと。武田の連戦連勝は勘助のおかげだったこと。そして川中島の戦いで壮絶な戦死を遂げたこと。

語り終えると、老人は息絶えました。

鉄以は甲斐に旅立ち、父・山本勘助のことを調べはじめます。すると意外な事実がわかってきました。現地の人々は口をそろえて「山本勘助という名前は、聞いたことがない」というのです。

老人から聞いた話と現実との間には、大きなギャップがありました。


<感想>

武田ファン、勘助ファンの方にはもちろん、たくさんの戦国ファン、歴史ファンの皆さんにもぜひぜひ読んで頂きたい小説です。

読み終えた後、少しだけ悲しい気持ちになりました。そして少しだけ救われた気持ちにもなりました。

これは何なんだろうと思って、すぐにもう一度読み返しました。

もう一度読み返したい小説はたくさんありますが、このとき「まぼろしの軍師」はぶっちぎりで優先順位ナンバー1になっていました。

父と子のすれ違い。きずな。夢。歴史がつくられていく面白さ。すべてがそろっています。おすすめです。

『武田三代』に収録されている他の作品、目次についてはコチラをどうぞ。
author:あーりー, category:戦国時代(山本勘助の歴史小説), 10:58
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『風林火山』 井上 靖(著)
風林火山 (新潮文庫)
風林火山 (新潮文庫)
井上 靖(著)

読み終えた時、なんだか分からないけど胸がビリビリ震えました。

心臓を神様に握りつぶされたような、悶え、高ぶり、感動です。

<あらすじ>

今川家への仕官を望みながら9年間も叶わずにいた山本勘助。

彼は今川家を見限り、ある計略によって甲斐・武田家への仕官を果たします。

勘助は持ち前の智謀で若き当主・武田晴信(信玄)を助け、新参者ながら存在感を増していきます。

さらに勘助は、晴信の側室・由布姫と、2人の間に生まれた子・四郎勝頼を守り、武田家を盛りたてていきますが。。。

やがて勘助の前に、越後の天才・上杉謙信が立ちはだかります。

<感想>

はじめは山本勘助の不思議な境遇や切れ味抜群の頭脳に惹かれて読んでいました。

でもその後、すぐに信玄の魅力も感じるようになりました。

この小説を読んで、勘助はもちろんですが、信玄も好きになりました。

老将・山本勘助と、青年武将・武田信玄。素敵なコンビですね。

はじめは勘助が付いていないと危なっかしいとも思えた信玄ですが、武将としても人間としても成長していきます。

いざ決断となると、胸がすくような英断をさらりとやってのけます。

ときどきやんちゃなことをして勘助を困らせたりもしますが、信玄は勘助のことが好きですし、すごく大切に思っています。

信玄は軍議の席では「いつも勘助をいたわりかばって」います。「これまであらゆる辛酸を嘗めて生きて来た」勘助に、「花を持たせた」いと思っているんです。

もちろん勘助も信玄を愛しています。信玄の存在は勘助にとって「唯一つの、美しい壮大な夢」なんです。

この2人の最大の強敵が、越後の上杉謙信です。

ラストの川中島の戦いは、すごく良かった!

ここで描かれているのは、歴史上全部で5回あった川中島の戦いの中でも、最大の激戦となった第四次合戦ですね。

信玄は上杉謙信の神がかり的な戦術によって大ピンチに陥り、弟の信繁を失います。

武田軍の作戦を立てたのは勘助です。勘助は責任を感じます。

しかし信玄は勘助の作戦の不首尾を一切責めることなく、それどころか、さりげなく勘助をかばいます。

命の危険を前にして、微動だにしない信玄。

勘助がこれまで見て来たどんな信玄よりも立派な信玄がそこにはいました。

また、

武田家の中にも派閥のようなものがあって、日頃は対立もしていました。それが信玄を守るという共通の目的のために命をかける姿にも感動しました。

『風林火山』を読みながら読書日記を書いていました。よろしければこちらもご覧ください。
『風林火山』読書日記1
『風林火山』読書日記2
『風林火山』読書日記3
『風林火山』読書日記4
『風林火山』読書日記5
『風林火山』読書日記6
author:あーりー, category:戦国時代(山本勘助の歴史小説), 10:34
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『風林火山』を読んだ直後の生感想
風林火山 (新潮文庫)
風林火山 (新潮文庫)
井上 靖(著)

うおおおぉぉぉ〜! すごいっ! すごいです!

今ぜんぶ読み終えました。

『風林火山』すごすぎます。

いい! いいです!

感想にも何にもなってませんし、文章にすらなってませんけど、とにかくこの感動を書きとめておきたくて、今これを打ってます。

ちゃんとした感想はまたあとで書きますね。

今はちゃんとした感想なんか書けないくらい昂ってます。

だから今はただ、

『風林火山』すごい! 感動した!
author:あーりー, category:戦国時代(山本勘助の歴史小説), 19:15
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