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新装版 宮本武蔵 (朝日文庫) 司馬遼太郎 感想
こんな逸話が載っています。

あるとき、宮本武蔵のもとに一人の少年が訪ねてきました。

少年は「父のかたきが討ちたい」と言い、武蔵に剣の手ほどきを願い出ます。

このときの武蔵の指導のしかたが、とっても興味深いんです。

ポイントは、つぎの3点です。

1.自信を持たせる
2.ひとつの方法を完璧に身に付けさせる
3.必ず勝てるという暗示をかける



1.自信を持たせる

武蔵はまず、少年に剣を振らせてみました。

いまいちでした。

でも、そのことは口に出しませんでした。

今から直しても間に合わないし、少年の自信を失わせてしまうからです。

そのかわり、こう言いました。

「それでいい。みごとだ」

少年はよろこび、自信を持って素振りをつづけました。



2.ひとつの方法を完璧に身に付けさせる

武蔵は「秘法をさずけよう」と言い、ごくシンプルで実用的な攻撃のしかたを、ひとつだけ教えました。

それだけを繰り返し練習させました。


3.必ず勝てるという暗示をかける

武蔵は以上のことをした上で「これで、勝てる」とお墨付きを与えました。

さらに…

勝負の日、足元の地面をのぞきこんでアリが這っていれば、運のある証拠。勝利はまちがいない!

と勇気づけました。

季節は真夏なので、アリくらいは這っています。暗示です。



少年は、勝負に勝ちました。

武蔵の指導のしかた、とても面白いですね。
author:あーりー, category:江戸時代(宮本武蔵の歴史小説), 11:47
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『よじょう』 山本周五郎(著)
七人の武蔵 (角川文庫)
七人の武蔵 (角川文庫)

7人の作家が7通りの武蔵を描いた短編集。

最後の作品は、山本周五郎の『よじょう』。

宮本武蔵の晩年の話です。

不義理のために世間から爪はじきにされていた岩太という男が、やけくそでホームレス生活を始めた途端、人々から尊敬されるようになります。

岩太は何が何だかわかりません。

僕も読んでいてビックリしてしまい、はやく先を読みたくてたまらなくなりました。

最後の最後まで楽しませてくれる素敵なエンターテイメントでした。
author:あーりー, category:江戸時代(宮本武蔵の歴史小説), 15:47
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『宮本造酒之助』 海音寺潮五郎(著)
七人の武蔵 (角川文庫)
七人の武蔵 (角川文庫)

7人の作家が7通りの武蔵を描いた短編集。

6作品目は海音寺潮五郎の『宮本造酒之助』です。武蔵の養子・伊織の視点から、おなじく武蔵の養子である造酒之助の恋と死が描かれています。

言葉のやり取りとは別に、登場人物のあいだで繊細な心のやり取りが交わされます。

幼い伊織が大人の会話の裏にあるものを察知していくのと同時に、読んでいる僕にも真相がわかってきて、結末に近づくたびに不思議なスリルが味わえました。
author:あーりー, category:江戸時代(宮本武蔵の歴史小説), 17:14
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