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功名が辻 司馬遼太郎(著)
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司馬遼太郎(著)

仲間由紀恵と上川隆也の主演で、2006年のNHK大河ドラマにもなった小説。信長、秀吉、家康の3人に仕えた戦国武将・山内一豊と、それを支えた妻・千代の物語です。

●あらすじ

織田家に仕える山内一豊は知行わずか50石。「ぼろぼろ伊右衛門」と異名をとるさえない風体の男です。そんな彼が、妻の支えと自身の奮戦で功名を重ね、やがて土佐24万石の国主に出世していきます。

●感想

◇歴史の舞台裏

ふだんは見ることができない歴史の舞台裏を特別に覗かせてもらっているような気持ちになりました。

信長、秀吉、家康。彼らは歴史の表舞台で華々しく活躍して、その名前も歴史の教科書にしっかりと刻まれています。

彼らは傑物です。でも傑物が歴史の舞台を縦横無尽に暴れまわるためには、それを支えるたくさんの「普通の人々」の存在が必要でした。

信長、秀吉、家康たちがスポットライトを浴びて古い歴史を破壊し、新しい歴史を創造していったそのすぐ横で、英雄でも天才でもない一兵士、一武将たちはどんなふうに生きていたのか。傑物たちの一挙一動に翻弄されながら、「普通の人々」はどんな知恵で乱世を生き抜いたのか。

『功名が辻』にはその答えがありました。

◇信念は崩れる

一豊はスーパーヒーローではありません。等身大の人間臭さが魅力です。

「男が、男であることを表現するものは、功名しかない」と彼は信じています。しかし司馬遼太郎は「この哲学は、いつか崩れるときがくる」と書き、一豊の信念がゆらぐことを予言しています。

信長、秀吉、家康といった男たちは、自分の生き方に何か確固としたものをもっていて、自分自身の決めた手順をまい進する「芯」があるように思えます。

でも一豊にはそれがありません。一途に功名を追ってはみても、ときにその信念はゆらぎます。はたして自分の生き方は正しいのか。

あちこち壁にぶつかって迷いながらも二人三脚でゴールを目指す。けしてスマートではないけれど、その不器用さがかえって愛らしい。そんな夫婦の物語です。

◇読み終えたあとの苦味

読後感に特徴があります。この苦味が、歴史の苦味なのかも知れない、と思いました。

◇関連リンク
功名が辻〈1〉
功名が辻〈2〉
功名が辻〈3〉
功名が辻〈4〉

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author:あーりー, category:戦国時代(山内一豊の歴史小説), 16:52
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