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項羽と劉邦 司馬遼太郎(著)
項羽と劉邦 (上)
項羽と劉邦〈中〉
項羽と劉邦〈下〉
司馬遼太郎(著)

大人物をさして、器が大きい、といいます。劉邦の場合、器の底が抜けています。底抜けの大器。気持ちいいくらい底が抜けています。

もしかすると器ではなく、もっと大きな入れ物、たとえば海とか宇宙とか、そういう表現がしっくりくるかも知れません。

物語は、秦の始皇帝の時代が終わろうとする頃からはじまります。

混乱する中国にふたりの英雄が登場しました。武勇の項羽と、人望の劉邦。

今うっかり人望の劉邦と書きましたが、彼の行動だけをピックアップしてながめてみると、「なぜこんな人物に人望が集まるんだろう」と不思議になります。

30歳を過ぎてもいっこうに働こうとしない。毎日仲間と酒ばかり飲んでいる。仕事についてもマジメに働かず、職場放棄して行方をくらます。敵に追われたときは、馬車を軽くするために自分の子供を置き去りにして逃げる――

こうしてみると、なかなかとんでもない人間です。とても人望があるとは思えません。でも、あるんです。

戦争の天才、政略の天才、内政の天才。たくさんの優秀な人間が劉邦のもとに集まってきます。規格外の魅力、想定外の魅力が劉邦にはあります。

本書には、同時代の人々を魅了した劉邦の不思議なフェロモンがいっぱい詰まっています。
author:あーりー, category:外国が舞台の歴史小説, 15:41
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