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宮本武蔵 吉川英治(著)
宮本武蔵〈1〉
宮本武蔵〈1〉
吉川英治(著)

宮本武蔵といえば剣豪ですが、この小説はいきなり敗北から始まります。体力の限界でもうどうにも動けないという徹底的な敗北です。地べたを這い回るような絶望からスタートして、やがて剣の道で心の高みにたどりつく姿を描いた精神の旅行記です。

司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』が日本人の龍馬観を決定付けたように、吉川英治の小説『宮本武蔵』は武蔵のイメージを固めました。

慶長5年9月。徳川家康ひきいる東軍と、石田三成を中心とする西軍が、関ヶ原で激突しました。武蔵もこの戦場にいました。彼は西軍の兵士として参加していたのですが、西軍は敗れてしまいます。力尽きて倒れた武蔵は、屍のように戦場に横たわったまま、もう動くことができませんでした。

このとき武蔵は17歳。武蔵のそばには親友の又八も倒れています。彼も同じ17歳です。ふたりは年齢も同じ、故郷も同じ。戦場での手柄を夢見て故郷を飛び出し、夢かなわずこうして関ヶ原の大地に満身創痍で横たわっている点もまったく同じです。

しかしその後の人生が違ってきます。ひとりは後世に名を残す剣豪になり、もうひとりは転落の人生を歩んでいきます。

武蔵はどんなふうに剣の道をきわめたのか。又八は何を踏み外して転落してしまったのか。そこを読み比べるだけでも面白いです。

これは剣豪小説であり、恋愛小説であり、人生の手引書です。

僕たちは人生の困難をどんなふうに乗り越えたらいいのかという問いの答えを、1ページ1ページ、武蔵が身をもって示してくれているような気がします。

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author:あーりー, category:江戸時代(宮本武蔵の歴史小説), 10:27
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