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絶海にあらず(上) 第2章 風浪
読書日記の続き。「第2章 風浪」を読み終えました。

絶海にあらず 上 (1) (中公文庫 き 17-8)
絶海にあらず 上
北方 謙三(著)

もうだいぶ前のことですが、あと一歩で鳥のフンの直撃を受けるところでした。

その日は家を出たあと、カギをかけたかどうかが気になったので、一度玄関に戻ったんです。戻ったといっても、ほんの数歩でした。

カギはかかっていました。

安心してしばらく歩いていると、僕の目の前に鳥のフンが落ちてきました。あと数歩先を歩いていたら、間違いなく直撃していました。

あのときカギが気になって戻った数歩が、僕を救ってくれたんです。

あの数歩がなければ、鳥のフンにまみれたまま同じルートを家に戻って着替えなければならないところでした。あやうく近所で一躍有名人になるところでした。

何がどんな結果を生むか、わからないものですね。

人の運命も、わりとそんなところがあるのかも知れないと、「第2章 風浪」を読んで改めて思いました。

藤原純友は突然、伊予の役人に任命されます。これまで無位無官だったのに、いきなりの任命です。

さまざまな因果関係が、あの手この手で人生に影響を与えてくる、というのが、読者の立場から見ているとよくわかります。

突然結果だけを知らされる純友本人からしてみれば、まさに何がどんな結果を生むか分からない、ということになるのだと思います。

読者にはすべてが分かっているんですけどね。


読者にはすべてがわかっているといえば、もうひとつ。

平貞盛の運命です。

京都にいる平貞盛は、関東にいる平将門ととても仲が良く、これからも2人で力を合わせていこうという気に満ちています。

でも。

歴史の教科書を読み返してみると、平将門が反乱を起こしたときにこれを討つのが、平貞盛なんですよね。

読者にはすべて分かっています。

分かった上で小説の中の出会いや会話を見ていると、ひとつひとつにとても意味があるように思えます。
author:あーりー, category:平安鎌倉(藤原純友の歴史小説), 18:09
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