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『うずくまる』 (荒木村重)
『うずくまる』は戦国武将の荒木村重を描いた短編小説。

火坂雅志の短編集『壮心の夢 (徳間文庫)』に収められています。

荒木村重は「摂津の小土豪として生まれながら、摂津一国を切り取り、三十八万石の領主となった叩き上げの戦国大名」です。

織田信長に仕え、軍団の一翼をになう重要なポジションにありながら、突如信長に反旗をひるがえしたことでも有名です。

荒木村重は、信長軍との長期にわたる籠城戦の末、一族や家臣を見捨てて城から逃げ出し、敗北しました。

城内に置き去りにされた一族や家臣は、信長によって惨殺されたといいます。

ひとり生き延びた村重は、その後、天下をとった秀吉に茶道の教養を評価され、御伽衆(取り巻き、ブレーンのようなもの)をつとめるようになります。

これは、そんな村重の晩年を、小鶴という遊女の目線から描いた小説です。

小鶴は、村重のいびつな情欲の対象となります。

その情欲の奥にあるものは、何なのか。

村重の儚い思いを知ったとき、小鶴は涙が止まりませんでした。

切なさが沁みる作品でした。


『壮心の夢』に収録されている他の作品、目次についてはコチラをどうぞ。
author:あーりー, category:戦国時代(荒木村重の歴史小説), 10:54
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