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『抜擢』 (木村吉清)
いや〜。すごく面白い短編でした。

とくに手柄を立てていないのに、5000石からいきなり30万石の大名に出世した、木村吉清という戦国大名の数奇な運命を描いた作品です。

火坂雅志の短編集『壮心の夢 (徳間文庫)』に収められています。

「世に、これほど出世した男もめずらしい」という冒頭で、まず秀吉のことかな、と思いました。

でも違うんですね。木村吉清のことでした。

秀吉は自分の実力で出世をしました。でも木村吉清の場合は、ちょっと事情が違います。

木村吉清は「たいした実績もなく、きわだった才腕が一切ないにもかかわらず」、豊臣秀吉の鶴の一声によって大出世を遂げます。

これには本人も周囲もビックリです。

木村吉清の妻・お亀は、この抜擢には裏があるということに、やがて気付くんですが、吉清本人はすっかりその気で舞い上がってしまいます。

みごとに油断している吉清を見ていると、こっちがハラハラしてしまいます。そういう意味では、スリル満点でした。

オチもいいですね。昔話とか童話のような、教訓に満ちた話にも思えました。

それにしても本当に数奇な運命をたどった人物ですね、吉清は。

『壮心の夢』に収録されている他の作品、目次についてはコチラをどうぞ。
author:あーりー, category:戦国時代(木村吉清の歴史小説), 15:23
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