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『武装商人』 (今井宗久)
「おのれの力によって、天下を動かすほどの大商人になりたい」と野心を燃やした今井宗久。

そんな宗久の姿を描いたのが小説『武装商人』です。

火坂雅志の短編集『壮心の夢 (徳間文庫)』に収められています。

<あらすじ>

今井宗久が商売を始めたころ、多くの商人は米を扱っていました。

宗久は、今さら米を売買しても既存の商人を追い越すことはできないと考え、「もっと別の商売」を模索します。

そして彼は、元手がほとんどかからず、しかも需要が絶えることのない商品を見つけました。その切り口は、現代でも十分参考になるような気がします。

こうして。

宗久は「わずか四年」のうちに、「二十代半ばの若さ」で「一生食うに困らぬほどの財」を手に入れました。

若くして成功をおさめた宗久は、「あきないでの天下取り」を目指し、商業都市・堺へと乗り込みます。

ところが。

宗久を待ち受けていたのは厳しい現実でした。堺には強力なライバルが多く、宗久は失敗を繰り返して大損。

やがて蓄えも底をつきます。しかし、これで終わる宗久ではありません。

<感想>

今井宗久は商売の基本をこう語ります。

1、相手をよく知ること。

2、人のやらないことを進んで行うこと。

宗久はこの信条どおりに商売をして、成功をおさめます。

注目は、このセオリーを商売以外にも応用したことです。それが結局、さらなる商売の成功にもつながっていきました。

あの織田信長は、若いころから天下を意識して、すべての行動をその一点に集約させて生きてきましたよね。

今井宗久にも同じ匂いを感じます。パワフルで、ときどきグロテスクなんだけど、それでもつい見とれてしまうバイタリティが、この作品の宗久にもあります。

重心の低いところから権謀術数の大技を繰り出す手並みは、もしかすると斎藤道三に似ているかも知れません。

『壮心の夢』に収録されている他の作品、目次についてはコチラをどうぞ。
author:あーりー, category:戦国時代(今井宗久の歴史小説), 15:04
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