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山本勘助 人に嫌われても気にならない生き方
風林火山 (新潮文庫)
風林火山 (新潮文庫)
井上 靖(著)

読書日記。第3章までの感想です。

山本勘助は人にどう思われてもあまり気にしないところがあります。

勘助は板垣信方に好意を持たれていました。

信方は勘助にとって、武田家臣団の中でただ一人の味方といってもいい存在です。

ところが。

勘助はあるとき信方から非難されて冷たい目で見られます。

それでも勘助は少しも気にせず、「相変らずどこを見ているか判らぬ顔つき」をしていました。

このとき勘助は「信方の言葉など受けつけぬ熱心さ」で、敵の城を攻略する手はずを考えていたんです。

仕事に夢中です。

これまで世間の日陰を歩いてきた勘助にとって、仕事に没頭することがほとんど唯一、自分を守り、自分を保つ方法だったのかも知れません。

その延長でしょうか。

勘助は人から好かれたり、ちやほやされることよりも、自分の能力が実証されることのほうを喜びます。

自分の読みが当たった時に、満足感を覚えます。

勘助ははじめて甲斐に迎えられたとき、至れり尽くせりの待遇を受けました。

しかし、それよりも「甲斐の国の自然も地形も、彼が幾度も頭に描いていたものと殆ど違わなかった」ことのほうに満足しました。

また、

主君・晴信に進言を採用されたときも、そのこと自体より「自分だけが晴信の心の内側に跳び込めた」ことのほうに満足します。

知恵を働かせ、先を読み、それがきれいに決まるときに充実感を覚えるんですね。

どんなことに満足するかによって、その人が人生のどこに重心を置いているかがある程度わかるような感じがして面白いですね。
author:あーりー, category:戦国時代(山本勘助の歴史小説), 22:29
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