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山本勘助流 ギャップの魅力
風林火山 (新潮文庫)
風林火山 (新潮文庫)
井上 靖(著)

読書日記。第5章まで読んだ感想です。

勘助の人生は、今川領で無為に過ごした9年間がウソのように、充実しはじめました。

勘助は武田晴信という大将を愛しているし、その側室の由布姫も愛しています。そしてそれ以上に、2人の間にできた四郎勝頼を愛しています。

生きる場所を見つけたんですね。

ということはつまり、死ぬ場所をみつけたということでもあります。

晴信や由布姫らの存在は、勘助にとって「唯一つの、美しい壮大な夢」となりました。順風満帆。

しかし。

思わぬピンチが勘助を襲います。

いいですね、この衝撃的な展開。

本来、勘助の頭脳は冴えています。どんな難問でも「事の真相が自然にすうっと頭の中に浮かんで」きます。

ところが今度ばかりは「一切が五里霧中」で、「ただ恐怖と絶望だけ」が勘助の心を占めています。

普段はダイヤモンドのように冴えわたっている勘助の頭脳がここまで追い詰められるのを見るのも、ときにはいいですね。

天才イチローが凡ミスするのを見たときのように、少しだけお得な気分になります。

普段が完璧であってこそ生きるギャップの魅力ですね。
author:あーりー, category:戦国時代(山本勘助の歴史小説), 22:30
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