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絶海にあらず(下) 第14章 風の声
絶海にあらず 下 (2) (中公文庫 き 17-9)
絶海にあらず 下 (2) (中公文庫 き 17-9)
北方 謙三(著)

純友の反乱はとても変わっています。武器を持って戦うのは、反乱のほんの一部でしかありません。

今はおもに貿易で戦っています。

アジアに新しく建国された高麗と貿易をすること。これによって京都の中央政府を追い詰めようとしています。こういう戦い方もあるんですね。


でも、いよいよ武力むき出しでの全面対決に突入しそうです。



それにしても、人脈の作り方がうまく描かれている小説だと思いました。

人脈を作るには、ただ会えばいいというものではないんですね。

会うこと自体は、あまり重要じゃないのかも。

夢。共通の目的。そっちのほうが重要みたいです。そこに惹かれて、純友のもとにも人が集まってきます。

もちろん、会って話をするのも大事ですが、会ったときにどんな共通の夢を描けるかってことのほうが、大事なんですね。

この小説を読んでて、そんなことを感じました。


純友のもとには、たくさんの人材が集まっています。

陸戦の名人、海戦の名人、造船の名人、軍略家、優秀な商人。

彼らが目指すのは、自由な海です。そして、そこから生まれる利益です。

自由な海で、自由な交易をして、生活していく。そんな未来を夢見ています。



反乱というのは、別にロマンのためにやるわけじゃなくて、生きるためにやるんですよね。

生活のためにみんな戦っている。そういう一面が生々しくて、読み応えがあります。

純友もハッキリ言っています。

「海から海を走り回り、物を売り買いする。それが、俺が海に抱いた夢なのだ」


純友は瀬戸内海、九州近海に一大勢力を築きあげました。

京都との全面対決がすぐそこに迫っています。
author:あーりー, category:平安鎌倉(藤原純友の歴史小説), 13:33
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絶海にあらず(下) 第13章 無窮
絶海にあらず 下 (2) (中公文庫 き 17-9)
絶海にあらず 下 (2) (中公文庫 き 17-9)
北方 謙三(著)

純友が酒と女に溺れています。

ただ純友自身の言葉を借りれば、

「浸ってもいないし、溺れてもおらん。酒は飲む。女は抱く。それだけのことだ」

となります。


反乱軍のリーダーという重責が、かなりのプレッシャーになっているようです。

これまでのさっそうとした純友のイメージとは少し違いますが、こういうのも人間らしくていいですね。

完璧よりも、少しくらい弱さがあったほうが好感が持てます。

僕はブルース・リーよりもジャッキー・チェンを見て育った世代なので、とくにそう思うのかも知れません。

純友もジャッキー・チェンと同じで、決めるところは決めます。普段は飲んでばかりいても、いざとなると部下への指示は適切ですし、海戦になればしゃんとしています。

酒の飲みすぎで船によって吐いたりもしていますが。


僕は反乱を起こしたことがないのでよく分からないんですが、反乱は下準備が大切なんですね。

ただ兵を挙げればいいというものではないようです。

純友などはかえって、京都に進撃しようとする仲間を解散させたりしています。

そういえば龍馬も、江戸幕府から見れば大反逆者でしたが、兵を挙げて暴れまわることはしませんでしたね。寺田屋ではちょっと暴れまわりましたけどね。って、あれは正当防衛で。

純友の反乱は、まず経済の戦いから始まります。物流と物価をめぐる争いです。

そこから徐々に、海戦へと移行していきます。

「反乱を起こすぞ!」
「おー!」

で、すぐにドンパチを始めないところがリアルでいいですね。
author:あーりー, category:平安鎌倉(藤原純友の歴史小説), 17:38
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絶海にあらず(下) 第12章 さざなみ
絶海にあらず 下 (2) (中公文庫 き 17-9)
絶海にあらず 下 (2) (中公文庫 き 17-9)
北方 謙三(著)

海賊の影の首魁である純友が、京都の中央政府から“海賊を討て”と命じられて瀬戸内海に出発しました。

中央政府は純友が海賊の黒幕だとは気づいていないようです。それとも罠なのかな。いずれにしろ見モノです。

喜劇にありそうなシチュエーションですね。
author:あーりー, category:平安鎌倉(藤原純友の歴史小説), 23:07
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